国産国産原料油脂
   12月渡し米油商談は据置き決着  
  輸入原油上昇も需要を優先
 榎茸需要回復原料集荷前年並み
     
   為替の円安傾向から米油の輸入コストは、前年同期に比べキロ当たり7〜8円上昇しているが、国内原料へのシフト等からコストを吸収して来た。また、揚げ油でブレンド用のパーム油の価格下落などで、5月以降は値上げを行わずに需要を優先してきた米油業界である。
 米油メーカー筋は週明けの6日、前述した様な環境の中で行われていた加工油脂メーカー及び製菓メーカー向けの12月渡し「コメ油ローリー物」(生糠白絞油バルク積み)商談が、前回11月渡しの平均決着価格と同値据置きで決着した事を明らかにした。 今回の据置き決着で国内の2017年12月単月のコメ油ローリー物価格は、キロ当たり240〜241円で流通する事になる。
 2017年の米油バルク商談の経緯は、4月渡しで円安による輸入米原油の価格高騰を背景に、7カ月振りにキロ当たり5円の値上げで決着して以来、5、6、7、8、9、10、11、12月と8カ月連続での据置き決着となっている。
 10〜12月渡しの中性油(大豆・菜種油)ローリー物商談の値上げが実勢化する中で、米油も追随したいところであるが、国産唯一の原料と云う事で、これまでも中性油が値下がる時にも据置きで決着して来た経緯があり「米油独自の商談結 となった」(米油メーカーバルク販売責任者)としている。
 現状価格で中性油との間に大豆油でキロ当たり25円、菜種油で同20円の価格差があり、仮に10円の値上げが実勢化しても、依然として10〜15円の格差が発生する事から、米油メーカーは需要を優先し、値上げのアナウンスを行って来なかった。
 国内の米油の抽出環境については「新米の需要期に当たるが、夏から秋へ掛けての天候不順で稲の生育が遅れ集荷量が減少している中で、生産調整を行っていた榎茸(エノキ茸)が、年末の鍋の需要期を迎え増産態勢に入った事から、原料生糠の集荷も前年並みに減少して来ている。
 米油の国内需要については「昨年からポテチ向けのバルク製品の減少分を、健康油イメージが定着した家庭用や、学校給食需要が堅調な業務用斗缶がカバーする展開となっている」(同)として、家庭用や業務用がバルクの落ち込みをカバーしている事を示唆した。
 昨年の北海道での台風被害によるポテトチップス生産減少の影響が大きかった加工用については「ジャガイモ不足が解消されて、カルビーなどのポテトチップスメーカーは増産体制を取っているが、一度離れた棚割りを回復するのに時間が掛かっており、バルク向けコメ油出荷も徐々にではあるが回復している」(同)として、ポテチ向けの出荷は徐々に回復してる事を明らかにした。
 米油需給を統計別で見ると、農水省が発表した10月の油糧生産実績によると、生糠の原料処理量は2万8,058トン(対前年同月比99・8%)に低迷。10月の米原油生産も5,431トン(99・4%)に微減。
 また、脱脂糠の10月末在庫が3,782トン(38・8%)に急減しており、1〜3月渡しの脱脂糠商談は値上げの可能性が出ている。
 輸入米油については、10月の輸入通関実績で、コメ油の輸入量は1,820トン(うち原油1,701トン、精製油119トン)で、前年同月比を23・0%下回った。輸入単価は、前年同月に比べ、トン当たり2万2,631円(27・8%)の高値となっている。
 



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