新春トップインタビュー  
   
 日清オイリオグループ 
 吉田伸章常務
 かけるオイル拡大で市場活性化を
 
 引き続き、油脂の価格改定を重要課題と 置付ける中、家庭用食用油では今年も「鮮度のオイルシリーズ」での〃かけるオイル〃の需要拡大に取り組み、市場活性化を目指す。業務用食用油ではユーザーサポートセンターと一体となったニーズ協働発掘型営業で、グループ会社との総合力を発揮し、新たな需要の掘り起こしを図る考え。日清オイリオグループの食品営業を統括する吉田伸章常務に今年の営業方針などについて聞いた。

——まずは、昨年を振り返って。
「一昨年の搾油コストは全 に安定していたが、年後半以降は原料相場が上昇し、高止まり。為替も円安となり、物流費の高騰などもあって昨年1月、4月と価格改定を実施した。値上げが浸透する局 も見られたが、計画した水準には至らず、上期は厳しい状況となった。その後、オイルバリューが上昇するなど油のコストがさらに上がったことを受けて、10月から再び家庭用、加工用でキロ20円、斗缶で300円の価格改定を実施した。10〜12月というマーケット最大の需要期での値上げとなり、難しい時期ではあったが、着実に実勢化に向かっている。ただ、目標とする値上げ幅にはまだ達しておらず、1〜3月の搾油コストも依然として厳しい状況にある中、今後もコストに見合った適正価格の実現に向けて努力していく」
——家庭用マーケットを振り返ると。
「ホームユースにはキャノーラ油という巨大なボリュームゾーンがあり、物 では全体の7割強を一方で、金額ベースでは1400億円弱の全体市場に対して約30%の割合。残りの70%は堅調なオリーブオイル、ゴマ油、そしてコメ油などの付加価値型の商品である。さらにアマニ油、しそ・えごま油、ココナッツオイルのサプリ的オイルがこの3年間で大きく拡大している。こうした中、当社では汎用油カテゴリーにおいては、キャノーラ油の価格競争からの脱却を目指して『日清ヘルシーオフ』『日清キャノーラ油 ナチュメイド』へのシフトを進めており、1定の成 をあげている。オリーブオイルに関しては、イタリアの大幅減産でコストが急騰した『BOSCO』ブランドは、4月から価格改定を行い、大方のご理解を得た。日清ブランドのオリーブオイル商品も好調に推移している。オリーブオイルは400億円弱まで市場が拡大しており、今後も伸長が期待できるものと考えている」
——その中で、いわゆる「かけるオイル」が新たなマーケットを確立、家庭用市場の活性化につながっていると思うが。
「いま注力している分野で、当社がマーケットを牽引しているものと自負している。食用油の生食用途である『かけるオイル』は、当社の推定では金額ベースでいまや330億円を占めるまでに成長。当社が販売している『鮮度のオイル』シリーズも大きく伸びており、今上期の売上げは前年同期と比べ約1・5倍となっている」
——業務用については。
「汎用油の斗缶 、ピローがベースとなっていることに加え、炊飯油や長持ち油などの機能性油が伸長している。ユーザーサポートセンターと一緒になって、中食や外食ユーザーに対して、ニーズ協働発掘型営業を積極的に進め、新たな需要を掘り起こしている。労働力不足、あるいはセントラルキッチンでの集中調理が増加傾向にある中にあって、炊飯油や長持ち油の採用が増えている。家庭用のヘルシーオフと同様の機能を持つ『日清 吸油が少ないフライオイル』も、ユーザー直結型の提案はもちろん、卸・流通面での扱いも広がっている。また、攝津製油や和弘食品などグループの総合力を活かした営業を積極的に推進しており、提案の幅が広がっている。こうした一連の取り組みが着実に成 をあげている」
——今年の営業方針は。
「搾油コストは10〜12月と同様に、この1〜3月も厳しい状況にある。引き続き価格改定に注力し、目標とするキロ20円、斗缶300円の値上げを実現することが重要課題であることは言うまでもない。一方、ホームユースでは、汎用油カテゴリーにおいて『日清ヘルシーオフ』、『日清キャノーラ油ナチュメイド』へのシフトを一層進め、収益の改善を図る。現状、キャノーラ油の中で、その二品の売上は17%を占めるまでにきている。今年は20%まで構成比を高めたいと考えている。また、鮮度のオイルシリーズをさらに強化し、かけるオイルの市場拡大を目指す。昨年の6月にスヌーピーのデザインボトルを数 限定で販売し、大変好調な売れ行きを示した。今年も、何らかの仕掛けを展開し、拡販を目指す。昨年9月には『日清 揚げずにから揚げオイル』を新発売した。当初は、20〜30代の若年層をターゲットに需要喚起を狙ったが、当社のお客様相談窓口には年齢の高い層からの問い合わせが多い。今年は、年齢の高い方々に向けた新たな販促などを実施しながら、さらなる売上げアップを目指していく。業務用では、引き続き機能性油の拡販に注力する。このほか、MCT(中鎖脂肪酸)に関しては、昨年10月からインテルミラノの長友選手を起用したテレビCMを放映。MCTの認知を高めるプロモーション活動を強化している。従来の低栄養対策などの高齢者をターゲットとした展開に加え、ボディメイクのようなスポーツ・美容領域での展開を広げていきたいと考えている」。


 
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